人文研究見聞録:竹中稲荷神社 [京都府]

京都市左京区にある竹中稲荷神社(たけなかいなりじんじゃ)です。

平安時代に既に鎮座していたいわれる稲荷社で、祭神に宇賀御魂神・猿田彦神・天細女神を祀っています。

なお、現在は吉田神社の末社となっていますが、本社の南東のやや離れた場所に位置しています。


神社概要

由緒


由緒書によれば、創建年代等は不明なものの、古記録に「在原業平の居を神楽岡稲荷神社の傍らに卜す云々」とあることから、天長年間(824~834年)には既に存在していたとされます。

また、その他の文献には「天保年間(1831~1845年)に京師幾萬の子女郡参し、昼夜の別なく、満山に踊躍す。是を蝶々踊と云い、其の後、数千の鳥居参道に樹立し、雨雪為に傘を要せず」と、江戸時代の当社の様子が記載されているそうです。

なお、現在の社殿は天保11年(1840年)に信徒の寄付によって造営され、明治5年(1872年)に吉田神社の末社となって現在に至るとされています。

祭神


竹中稲荷神社の祭神は以下の通りです。

・宇賀御魂神(ウカノミタマ):稲荷神であり、スサノオの御子神とされる
・猿田彦神(サルタヒコ):天孫・瓊々杵尊が降臨した際に道案内した神
・天細女神(アメノウズメ):岩戸隠れの際に舞い踊った芸能の始祖とされ、猿田彦神の妻となったとされる

境内社


人文研究見聞録:竹中稲荷神社 [京都府]
天満宮
人文研究見聞録:竹中稲荷神社 [京都府]
竹釼稲荷神社(奥之院)

竹中稲荷神社の境内社は以下の通りです。

・天満宮(吉田神社末社):菅原道真公を祀る
・竹釼稲荷神社(奥之院)
・竹光神社
・竹丸神社
・その他(境内には社殿や石碑が多数祀られている)

境内の見どころ

鳥居


人文研究見聞録:竹中稲荷神社 [京都府]

竹中稲荷神社の鳥居です。

吉田神社の参道沿いにあり、周囲には散歩やジョギングする方々が多く見られます。

拝殿


人文研究見聞録:竹中稲荷神社 [京都府]

竹中稲荷神社の拝殿です。

本殿


人文研究見聞録:竹中稲荷神社 [京都府]

竹中稲荷神社の本殿です。

奥之院


人文研究見聞録:竹中稲荷神社 [京都府]

竹中稲荷神社の奥之院・竹釼稲荷神社です。

祭神や由緒については分かりませんでした。

社殿群


人文研究見聞録:竹中稲荷神社 [京都府]

竹中稲荷神社の社殿群です。

境内には写真のように多数の祠などが祀られています。

石碑群


人文研究見聞録:竹中稲荷神社 [京都府]

竹中稲荷神社の石碑群です。

境内には写真のように多数の石碑が祀られています。

料金: 無料
住所: 京都府京都市左京区吉田神楽岡町3-64(マップ
営業: 不明
交通: 出町柳駅(徒歩25分)

公式サイト: http://www.yoshidajinja.com/yuisyo.htm#inarisya
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。