人文研究見聞録:京都五山送り火 [京都府]

京都では、毎年8月に五山送り火(大文字の送り火)という伝統行事が行われます。

今回はこの五山送り火を鑑賞してきたので、行事の概要と参加レポートを以下にまとめてみたいと思います。


概要

五山送り火とは?



人文研究見聞録:京都五山送り火 [京都府]
大文字
人文研究見聞録:京都五山送り火 [京都府]
左大文字
人文研究見聞録:京都五山送り火 [京都府]
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舟形
人文研究見聞録:京都五山送り火 [京都府]
鳥居形

五山送り火(ござんのおくりび)とは、毎年8月16日の夜に「大文字山(大文字)」「左大文字山(左大文字)」「西山・東山(妙法)」「船山(舟形)」「曼陀羅山(鳥居形)」の五山の火床に点火して精霊(死者の霊)をあの世へ送り届けるとされる京都の伝統行事で、葵祭・祇園祭・時代祭とともに京都四大行事の一つに数えられています。

※画像はwikipediaから拝借しています。

五山送り火の起源


五山送り火の起源は諸説あり、以下のような説が唱えられています。

空海創始説(平安時代起源説)

かつて大文字山の麓にあった浄土寺が火災に遭ったとき、本尊の阿弥陀仏が山上に飛来して光明を放ったことから、その光明を象って点火したものを空海(弘法大師)が大の字に改めたというもの(『都名所図会』ほか)。

足利義政創始説(室町中期起源説)

延徳元年(1489年)、足利義政が近江の合戦で死亡した息子の足利義尚の冥福を祈るために家臣に命じて始めたというもので、相国寺の僧侶・横川景三の指導により、義政の家臣・芳賀掃部が設計したとされる。なお、大の字形は山の斜面に白布を添え付け、その様子を横川景三が銀閣寺から眺め定めたという(『山城名跡巡行志』)。

近衛信尹創始説(江戸初期起源説)

寛文2年(1662年)刊行の『案内者』に「松ケ崎には妙法の2字を火にともす。山に妙法といふ筆画に杭をうち、松明を結びつけて火をともしたるものなり。北山には帆かけ船、浄土寺には大文字皆かくの如し。大文字は三藐院殿(近衛信尹)の筆画にてきり石をたてたりといふ。」と記述されている。

点火スケジュール


五山送り火の点火スケジュールは以下の通りです。

・大文字:20時00分点火(大文字山)
・妙法:20時05分点火(西山・東山)
・舟形:20時10分点火(船山)
・左大文字:20時15分点火(左大文字山)
・鳥居形:20時20分点火(曼陀羅山)

鑑賞スポット


五山送り火の鑑賞スポットは以下の通りです。

・大文字:出町柳の鴨川デルタ・賀茂川堤防・吉田山・銀閣寺道・京都御苑
・妙:北山通(ノートルダム女学院附近)
・法:高野川堤防
・舟形:北山通・上賀茂橋
・左大文字:西大路通・船岡山公園
・鳥居形:清涼寺北側・嵐山渡月橋・虚空蔵法輪寺・広沢池・桂川松尾橋
・複数:出町三角州・京都タワー・イオンモール京都五条屋上ほか

参加レポート

イオンモール京都五条屋上


人文研究見聞録:京都五山送り火 [京都府]
大文字
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左大文字
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鳥居形
人文研究見聞録:京都五山送り火 [京都府]
舟形

2017年は複数の送り火が見られるようにイオンモール京都五条の屋上で鑑賞することにしました。

20:00の少し前に屋上に向かうと既に多くの人々が集まっていましたが、場所取りが必要なほどではなかったです。

大文字の点火が始まると多くの人がそちらの方に集まりますので、初見でもある程度の位置がわかります。

ただ、かなり遠目に見える感じなので、双眼鏡などの望遠できるものがあると便利です。

なお、この場所からは「大文字」「左大文字」「鳥居形」はくっきりと形がわかるほど見えます。

しかし「舟形」は形がわからず、「妙法」は全く見えませんでした。

ですが、客数などから鑑みれば送り火は見えやすいと思うので、鑑賞スポットとしてはオススメです。

料金: 無料
日時: 8月16日 20:00~20:30

公式サイト: https://www.kyokanko.or.jp/okuribi/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。