人文研究見聞録:大港神社(境港市) [鳥取県]

鳥取県境港市にある大港神社(おおみなとじんじゃ)です。

水木しげるロード付近に鎮座しており、祭神に八幡神など11柱の神を祀っています。


神社概要

由緒


当社は創建年代は不明ですが、社宝に永享3年(1431年)と銘記されたものがあることから これ以前より存在していたとされます。古くから境・上道・中野・福定・竹内・高松の六ヶ村の産土神で海上安全の神として信仰されており、江戸時代には八幡宮と呼ばれて諸国の船持ち連中より篤く崇敬されたそうです。

近代以降は、明治元年(1868年)に今の社名に改称し、郷社・餘子神社の摂社となりましたが、後年に無格社に改められ、末社の祭神である武内宿禰命・亀井能登守安綱・清若丸・手島四良三郎・小磯亦四郎を合祀して現在に至るとされています。

なお、当社の境内には各地の船持ち連中や廻船連中から奉納された石造物が多数あり、これらは境港市の指定文化財となっています(石鳥居・長明燈・手水鉢ほか)。

参考サイト:米子(西伯耆)・山陰の古代史

祭神


大港神社の祭神は以下の通りです。

・品田和気尊(応神天皇):第15代天皇であり、八幡神として全国の八幡宮などで祀られる
・大帯姫尊(神功皇后):仲哀天皇の皇后であり、応神天皇の母に当たる
・比咩大神:八幡神の一柱
・武内宿禰命(たけのうちのすくね):景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代天皇に仕えた日本最初の大臣
・亀井能登守安綱:尼子経久の家臣
・須佐之男尊(スサノオ):三貴子の一柱で出雲の祖神(天照大神の弟神に当たる)
・大己貴命(オオナムチ):オオクニヌシの名で知られる出雲大社の主祭神
・事代主命(コトシロヌシ):大己貴命(大国主、大物主)の子であり、恵比須神として信仰される
・清若丸:亀井能登守の子
・手島四良三郎:亀井能登守の家臣
・小磯亦四郎:亀井能登守の家臣

境内社


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天満宮
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恵比須社

大港神社の境内社は以下の通りです。

・天満宮(北野神社):菅原道眞を祀る
・恵比須社

境内の見どころ

鳥居


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大港神社の鳥居です。

手水鉢


人文研究見聞録:大港神社(境港市) [鳥取県]

大港神社の手水鉢です。

案内板によれば、文化3年(1806年)に現・京都府宮津市の廻持中から奉納されたものだそうです。

神門


人文研究見聞録:大港神社(境港市) [鳥取県]

大港神社の神門です。

石鳥居


人文研究見聞録:大港神社(境港市) [鳥取県]

大港神社の石鳥居です。

案内板によれば、寛保3年(1743年)に現・兵庫県神戸市の廻船中から奉納されたものだそうです。

長明燈


人文研究見聞録:大港神社(境港市) [鳥取県]

大港神社の長明燈です。

案内板によれば、寛政7年(1795年)に現・福井県の古河嘉太夫教泰という人物から奉納されたものだそうです。

拝殿


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大港神社の拝殿です。

本殿


人文研究見聞録:大港神社(境港市) [鳥取県]

大港神社の本殿です。

土俵


人文研究見聞録:大港神社(境港市) [鳥取県]

大港神社の土俵です。

料金: 無料
住所: 鳥取県境港市栄町133(マップ
営業: 終日開放
交通: 境港駅(徒歩10分)
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。