錦帯橋・吉香公園 [山口県]
2018/12/07
山口県岩国市にある錦帯橋(きんたいきょう)です。
江戸時代に洪水に流されない橋として考案された木造アーチ橋で、日本三名橋・三奇橋に数えられています。
橋の先には吉香公園があり、橋とともに桜の名所になっているほか、吉川家ゆかりの施設などが立ち並んでいます。
概要
錦帯橋とは?
錦帯橋とは、山口県岩国市の錦川に架かる木造のアーチ橋で、国の名勝に指定されています。
橋自体は全長193.3メートル、幅員5.0メートルで、石積の橋脚に5連の太鼓橋がアーチ状に組まれているという世界的に珍しい構造となっており、要構造部は継手や仕口といった組木の技術によって釘は1本も使わずに造られているそうです。
そのため、日本三名橋や日本三大奇橋に数えられており、観光地としては桜の名所としても知られています。なお、公式サイトによれば、世界遺産登録を目指しているんだそうです。
なお、橋を渡るには入橋料が必要になり、夕方までは料金所でチケットを買うことになりますが、夜間は料金箱に入橋料を入れて渡るスタイルになっています(橋自体は24時間通行可能)。
※橋の構造については公式サイトで詳しく説明されています。
歴史
錦帯橋は延宝元年(1673年)に3代目岩国領主・吉川広嘉によって建造されたもので、岩国城の築城以来 城と城下町をつなぐ橋が洪水によって度々流されていたことから「洪水に流されない橋」として考案されたものなんだそうです。
広嘉は流されない橋を造るために「橋脚のない橋」の設計に着手し、家臣に橋の模型を作らせてみたり、優れた技術者を甲州や九州に派遣して猿橋やアーチ橋などのを研究させたともいわれています。
しかし、当時の技術では川幅 約200メートルもある錦川に橋脚のない橋を架けるのは難しく、なかなか良い案は出なかったそうですが、広嘉が明の帰化僧・独立性易に持病を治療してもらっている際、明の西湖に架かる6連アーチ橋の話を聞きます。
これをきっかけに連続したアーチ橋という基本構想に至り、アーチ間の橋台を石垣で強固にすることで洪水に耐えられると考えて、延宝元年(1673年)に技術者・児玉九郎右衛門の設計で、5連アーチからなる錦帯橋が完成しました。
しかし、これは翌年の延宝2年(1674年)に起こった洪水によって流出してしまったため、同年に橋台の敷石を強化して再建すると、これが功を奏して昭和期まで流失することのない橋になってとされています。
なお、錦帯橋には定期的に掛替工事が行われており、この間に橋の強度を高めたり、揺れを抑える改良が為されたとされており、橋の掛替・補修にかかる費用は身分問わず「橋出米」という税で賄われていたんだそうです。
また、当時は橋を渡れるのは武士や一部の商人だけだったそうですが、明治に入って岩国藩が消滅すると一般人も通れるようになったとされています。
近代以降は、橋の管理が藩から保存会に移り、募金によって修繕費用などが賄われるようになったとされ、大正11年(1922年)には国の名勝にも指定されましたが、昭和25年(1950年)の台風によって完全に流出してしまうことになります。
そのため、翌年の昭和26年(1951年)より復旧工事が始まり、2年後の昭和28年(1953年)に再建が完了します。しかし、2005年の台風によって橋脚が2基流出したてまったため、これの復旧工事が行われて現在に至るとされています。
※歴史については公式サイトで詳しく説明されています。
特徴
錦帯橋の特徴は以下の通りです。
・構造:中央3連がアーチ橋、両端が桁橋構造を持つ反橋となっている
・長さ:193.3メートル(1つのアーチが約35メートル)
・幅員:5.0メートル
・高さ:両端は約9メートル、中央の3連アーチは約12~13メートル
・材質:橋は木造(アカマツ、ヒノキ、ケヤキ、クリ、カシ、ヒバ)、橋脚は石造
・備考:たたら鉄の和釘を使うなど、金具にもこだわっている(平成の架替時)
・長さ:193.3メートル(1つのアーチが約35メートル)
・幅員:5.0メートル
・高さ:両端は約9メートル、中央の3連アーチは約12~13メートル
・材質:橋は木造(アカマツ、ヒノキ、ケヤキ、クリ、カシ、ヒバ)、橋脚は石造
・備考:たたら鉄の和釘を使うなど、金具にもこだわっている(平成の架替時)
錦帯橋ギャラリー
錦帯橋のギャラリーです。
周辺の見どころ
槍倒しの松
錦帯橋付近にある槍倒しの松(やりこかしのまつ)です。
大藩の大名が槍を立てたまま城下を通過する不敬を阻止するために植えられたと伝えられています。
巌流ゆかりの柳
錦帯橋付近にある巌流ゆかりの柳(がんりゅうゆかりのやなぎ)です。
剣豪・佐々木小次郎が、家伝の名刀・物干し竿を持って柳とツバメを相手に秘剣・燕返しを編み出したといわれています。
吉香公園
錦帯橋付近にある吉香公園(きっこうこうえん)です。
錦帯橋とともに桜の名所として知られており、入口には錦帯橋を創建した吉川広嘉像があります。
佐々木小次郎の像
吉香公園にある佐々木小次郎の像です。
小次郎は岩国生まれといわれており、この像の手は燕返しを繰り出すような形になっています。
ちなみに山口県の阿武町には佐々木小次郎の墓と伝わる場所もあります。
吉香神社
吉香公園にある吉香神社です。
吉川氏の神霊(岩国藩の歴代藩主)を祀る神社となっています。
詳しくはこちらの記事を参照:【吉香神社】
白山比咩神社
吉香公園にある白山比咩神社です。
石川県の白山比咩神社より勧請され、吉川家の産土神として崇敬を受けた神社とされています。
詳しくはこちらの記事を参照:【白山比咩神社(岩国市)】
岩国シロヘビの館
吉香公園にある岩国シロヘビの館です。
岩国のシロヘビを飼育する施設となっており、中に入って観覧することができます。
吉香 鵜の里
吉香公園にある吉香 鵜の里です。
錦帯橋の鵜飼で使われる鵜を飼育する施設で、無料で鵜を見ることができます。
岩国城
横山にある岩国城天守です。
山上にあり、吉香公園とはロープウェーでつながっています。
料金: 大人300円、小学生150円(詳しくは公式サイト参照)
住所: 山口県岩国市岩国1丁目(マップ)
営業: 終日開放
交通: 川西駅(徒歩18分)
公式サイト: http://kintaikyo.iwakuni-city.net/
住所: 山口県岩国市岩国1丁目(マップ)
営業: 終日開放
交通: 川西駅(徒歩18分)
公式サイト: http://kintaikyo.iwakuni-city.net/
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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