宇美神社 [島根県]
2019/01/20
島根県出雲市平田町にある宇美神社(うみじんじゃ)です。
『出雲国風土記』に登場する古社であり、主祭神に布都御魂神を祀っています。
縁結・縁切の社として知られ、当地の民俗芸術である一式飾の発祥の地としても知られています。
神社概要
由緒
当社は『出雲国風土記』の「楯縫郡条」に"宇美社"として記載されている古社です。
由緒書によれば、社号の「宇美」は祭神の布都御魂神(フツノミタマ)が出雲に来臨した際に海上から上陸したことに由来すると伝えられており、古来より国家鎮護・民生安穏・百事成就の守護神または武勇の神として崇敬を集めているとされます。
また、配祀の祭神については、応永元年(1394年)に本領・小村家、杉原家の祖によって紀伊熊野三山から分霊を勧請して熊野権現社と奉称するようになったとされ、その後 天正16年(1588年)に本領・廻田家の氏神である廻大明神(宇美神社)をはじめ、天満宮、春日神社、若宮神社、大歳神社、伊勢宮の七社をここに合祀したとされています。
その後、社号は熊野権現社、熊野神社、平田権現、平田神社、宇美熊野神社、あるいは俗に眞薦の宮などと称されていましたが、明治5年(1872年)に宇美神社と改称したとされます。そして、昭和56年(1981年)に島根県神社庁より特別神社の指定を受け、現在に至るとされています。
祭神
宇美神社の祭神は以下の通りです。
【主祭神】
・布都御魂神(フツノミタマ):日本神話でタケミカヅチが用いた霊剣とされる
→ 当社の由緒における印象は霊剣とは異なる
【配祀神】
・[熊野神社] 伊弉冊尊(イザナギ)、速玉之男命(ハヤタマノオ)、事解之男命(コトサカノオ)
・[春日大明神] 天児屋根命(アメノコヤネ)
・[若宮大明神] 太玉命(フトダマ)、手力雄命(タヂカラオ)
・[大歳大明神] 大歳神(オオトシノカミ)
・布都御魂神(フツノミタマ):日本神話でタケミカヅチが用いた霊剣とされる
→ 当社の由緒における印象は霊剣とは異なる
【配祀神】
・[熊野神社] 伊弉冊尊(イザナギ)、速玉之男命(ハヤタマノオ)、事解之男命(コトサカノオ)
・[春日大明神] 天児屋根命(アメノコヤネ)
・[若宮大明神] 太玉命(フトダマ)、手力雄命(タヂカラオ)
・[大歳大明神] 大歳神(オオトシノカミ)
境内社
平田天満宮
宇美神社の摂社である平田天満宮です(詳細は以下の通り)。
【由緒】
創建年代は不詳とされていますが、元は愛宕山の東麓に鎮座しており、天正年間(1573~1593年)に現・境内地に合祀され、宝永8年(1711年)に境内社として分離奉遷したとされます。
その後、宝暦2年(1752年)に儀満丈助持綱が新社殿を建立すると共に少彦名命の神像を当家の井戸から発見したことから、少彦名命が配祀されることになったとされています。
その3年後に当社で初めて神幸式(おたび)が行われて悪疫退散のご利益があったことから、寛政4年(1792年)に表具師の桔梗屋十兵衛がおたびを迎える際に一式飾を作って奉納したとされます。
これがきっかけで、当社の神幸式と一式飾の奉納が通例となったとされ、一式飾は現在では平田市の無形文化財の指定を受けているとされています(つまり、当社は一式飾発祥の地とされる)。
【祭神】
・[主祭神] 菅原道真公(すがわらのみちざね):平安中期の政治家(死後、天満天神として信仰される)
・[配祀神] 少彦名命(スクナヒコナ):オオナムチと共に国造りを成した神とされる
創建年代は不詳とされていますが、元は愛宕山の東麓に鎮座しており、天正年間(1573~1593年)に現・境内地に合祀され、宝永8年(1711年)に境内社として分離奉遷したとされます。
その後、宝暦2年(1752年)に儀満丈助持綱が新社殿を建立すると共に少彦名命の神像を当家の井戸から発見したことから、少彦名命が配祀されることになったとされています。
その3年後に当社で初めて神幸式(おたび)が行われて悪疫退散のご利益があったことから、寛政4年(1792年)に表具師の桔梗屋十兵衛がおたびを迎える際に一式飾を作って奉納したとされます。
これがきっかけで、当社の神幸式と一式飾の奉納が通例となったとされ、一式飾は現在では平田市の無形文化財の指定を受けているとされています(つまり、当社は一式飾発祥の地とされる)。
【祭神】
・[主祭神] 菅原道真公(すがわらのみちざね):平安中期の政治家(死後、天満天神として信仰される)
・[配祀神] 少彦名命(スクナヒコナ):オオナムチと共に国造りを成した神とされる
その他の境内社
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宇美神社のその他の境内社は以下の通りです。
・伊勢宮:天照大神を祀る
・稲荷神社:保食神を祀る
・幸神社:猿田彦神を祀る
・船霊神社:市杵嶋姫命を祀る
・祖神社:句々廼馳神を祀る
・金屋子神社:金屋子大神(金山彦命・金山姫命)を祀る
・縁結神社:伊弉冊尊・伊弉冉尊を祀る
・城前神社:素盞鳴尊を祀る
・三宝荒神
・大土乃御祖神
・稲荷神社:保食神を祀る
・幸神社:猿田彦神を祀る
・船霊神社:市杵嶋姫命を祀る
・祖神社:句々廼馳神を祀る
・金屋子神社:金屋子大神(金山彦命・金山姫命)を祀る
・縁結神社:伊弉冊尊・伊弉冉尊を祀る
・城前神社:素盞鳴尊を祀る
・三宝荒神
・大土乃御祖神
関連知識
一式飾について
宇美神社の境内には一式飾(いっしきかざり)と呼ばれる陶器で造られた人形がいくつか置かれています。
これは陶器をはじめとする身近な生活用具の一式を使って、人形のほか、神話やおとぎ話などの一場面を作り上げるという当地の民族芸術であり、同じ素材を使わなければならない や 素材を変形させてはならない などのルールもあるそうです。
この一式飾の由来は、宝暦2年(1752年)に当地方に悪疫が流行した際に、平田天満宮の御神幸の祭典が行われたことで退散できたことから、寛政4年(1792年)に表具師の桔梗屋十兵衛が悪疫の有無にかかわらず天神の御神幸が恒例になるように祈願したところ、これが叶ったので茶道具一式で大黒天を作ってこれを奉納したことに始まるとされます。
当社・宇美神社においては、境内の一式飾は「良縁と家庭円満の先導者」であるとされており、境内に数十体置かれているとされる一式飾を見つけると、素晴らしい出会いに恵まれるといわれているそうです。
境内の見どころ
鳥居
宇美神社の鳥居です。
神門
宇美神社の神門です。
燈籠
宇美神社の燈籠です。
拝殿
宇美神社の拝殿です。
本殿
宇美神社の本殿です。
一式飾
宇美神社にある一式飾です。
縁切御守
宇美神社の縁切御守です。
当社では祭神のコトサカノヲが縁切りの神とされています。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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