善光寺 [長野県]
2015/01/23
長野県長野市元善町にある善光寺(ぜんこうじ)です。
無宗派の単立寺院であり、住職は「大勧進貫主(天台宗)」と「大本願上人(浄土宗)」の両名が務めているそうです。
なお、本尊の一光三尊阿弥陀如来像は「仏教伝来」の折に献上された日本最古の仏像であるとされています。
※写真はウィキメディアコモンズより、パブリックドメインの画像を拝借しています。
寺院概要
縁起・概要
『善光寺縁起』によれば、本尊の一光三尊阿弥陀如来像(いっこうさんぞんあみだにょらいぞう)は、インドから朝鮮半島百済国へと渡り、欽明天皇13年(552年)に百済の聖明王から欽明天皇に贈られた日本最古の仏像と云われています(仏教伝来に関しては諸説あり、538年という説も有力である)。
『日本書紀』によれば、仏像の伝来以降、外来の宗教である仏教の受容を巡って崇仏派の蘇我氏と排仏派の物部・中臣氏の間で対立が起こり、この仏像は排仏派の物部氏によって難波の堀江へと打ち捨てられたとされています(「丁未の乱」を参照)。
それが後に信濃国司の従者として都に上った本田善光(ほんだよしみつ)によって回収され、当初は現在の長野県飯田市で祀られたとされているようです。その後、皇極天皇元年(642年)に現在地に遷座し、皇極天皇3年(644年)に勅願によって伽藍が造営され、本田善光の名を取って「善光寺」と名付けられたとされています。
なお、上記のとおり、日本における仏教黎明期の寺院であるため、古くから宗派に関係なく宿願が可能な霊場と位置付けられており、浄土宗の大本願(尼寺)の本山でもあるため、女人禁制だった仏教の中で女性が住職であるという「女性救済の寺院」としても知られています。
また、現在は天台宗の「大勧進」と25院、浄土宗の「大本願」と14坊によって護持・運営されているそうです。
本尊
・一光三尊阿弥陀如来(いっこうさんぞんあみだにょらい):『日本書紀』に登場する仏教公伝の仏像とされる
→ 絶対秘仏とされているため、公開はされていない(前立本尊は模像とされる)
→ 絶対秘仏とされているため、公開はされていない(前立本尊は模像とされる)
牛に引かれて善光寺参り
「牛に引かれて善光寺参り」という諺(ことわざ)がありますが、その意味は「思いがけず他人に連れられてある場所へ出掛けること。または他人の誘いや思いがけない偶然で良い方面に導かれることの喩え」とされています。
この諺が生まれることになった由縁として、以下の説話が残されています。
その昔、信濃国の小県の里に心が貧しい老婆が住んでいた。
ある日、その老婆が軒下に布を干していると、どこからか牛が一頭やってきて、その角に布を引っかけて走り去ってしまった。老婆は怒ってその牛を追いかけていったが、牛の逃げ足は早く、なかなか追いつかなかった。
そして、追いかける内にとうとう善光寺の金堂前まで来てしまった。すると、日は沈み、牛はかき消すように見えなくなったが、光明の中から善光寺の仏が現れて、昼のように老婆を照らしたという。
そこで、老婆がふと足下に垂れていた牛の涎(よだれ)を見ると まるで文字のように見え、その文字をよく見てみると「うしとのみおもひはなちそこの道に なれをみちびくおのが心を」と書いてあった。
それを読んだ老婆は忽ち菩提の心に目覚め、その夜は一晩中 善光寺如来の前で念仏を称えながら夜を明かした。その時の老婆に布を探そうとする心は無く、家に帰ってこの世の無常を嘆き悲しみながら暮らしたという。
その後、たまたま近くの観音堂に参拝したところ、あの時の布を観音像の足下に見つけた。そこで老婆は、あの時の牛は観音菩薩の化身だったと気付き、ますます善光寺の仏を信仰して、めでたく極楽往生を遂げたという。
ある日、その老婆が軒下に布を干していると、どこからか牛が一頭やってきて、その角に布を引っかけて走り去ってしまった。老婆は怒ってその牛を追いかけていったが、牛の逃げ足は早く、なかなか追いつかなかった。
そして、追いかける内にとうとう善光寺の金堂前まで来てしまった。すると、日は沈み、牛はかき消すように見えなくなったが、光明の中から善光寺の仏が現れて、昼のように老婆を照らしたという。
そこで、老婆がふと足下に垂れていた牛の涎(よだれ)を見ると まるで文字のように見え、その文字をよく見てみると「うしとのみおもひはなちそこの道に なれをみちびくおのが心を」と書いてあった。
それを読んだ老婆は忽ち菩提の心に目覚め、その夜は一晩中 善光寺如来の前で念仏を称えながら夜を明かした。その時の老婆に布を探そうとする心は無く、家に帰ってこの世の無常を嘆き悲しみながら暮らしたという。
その後、たまたま近くの観音堂に参拝したところ、あの時の布を観音像の足下に見つけた。そこで老婆は、あの時の牛は観音菩薩の化身だったと気付き、ますます善光寺の仏を信仰して、めでたく極楽往生を遂げたという。
お戒壇巡り
善光寺の本堂の床下には「お戒壇巡り」という行場があります。
そこは真暗闇の通路となっており、その中程に懸かる「極楽の錠前」に触れると極楽往生が約束されるそうです。
なお、体験するには内陣券が必要です。
境内の見どころ
山門(三門)
善光寺の山門(三門)です。
寛延3年(1750年)に建立された二層入母屋造りの門であり、重要文化財に指定されています。
経蔵
善光寺の経蔵です。
宝暦9年(1759年)に建立された宝形造りの御堂であり、重要文化財に指定されています。
仁王門
善光寺の仁王門です。
門の左右には高村光雲・米原雲海の作の仁王像が配されています。
本堂(金堂)
善光寺の本堂(金堂)です。
最奥の瑠璃壇には本尊の一光三尊阿弥陀如来像が祀られており、堂内では「お戒壇巡り」も体験することができます。
護摩堂
善光寺の護摩堂です。
本誓殿
善光寺の本誓殿です。
日本忠霊殿(善光寺史料館)
善光寺の日本忠霊殿です。
戦没した英霊を祀る日本唯一の仏式の霊廟であり、善光寺史料館も併設されています。
料金: 参拝無料(本堂への入場は有料)
住所: 長野県長野市元善町491(マップ)
営業: 6:00~16:00、無休
交通: 善光寺下駅(徒歩12分)
公式サイト: http://www.zenkoji.jp/
住所: 長野県長野市元善町491(マップ)
営業: 6:00~16:00、無休
交通: 善光寺下駅(徒歩12分)
公式サイト: http://www.zenkoji.jp/
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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