人文研究見聞録:成願稲荷神社 [奈良県]

奈良県桜井市三輪にある成願稲荷神社(じょうがんいなりじんじゃ)です。

大神神社の末社であり、祭神に稲荷神・宇迦之御魂神(ウカノミタマ)を祀っています。


由緒

由緒書によれば、正応3年(1290年)に大神神社の神宮寺であった浄願寺の鎮守祠として創祀された社であると伝えられており、商売繁盛・開運招福・念願成就に御利益があるとされています。

また、過去の由緒書には「当社では何事も正しいことであれば、唯一の祈願を成就せしめれる御社として信仰されています」とも記されているようです。

なお、現在の由緒書には以下のように記されています。

大神神社の神宮寺の一つ、浄願寺の鎮守祠として鎌倉時代の正応3年(1290年)に創祀されたと伝わっています。

御祭神は稲荷の神様で、全ての食物を司るとと共に商売繁盛・開運招福・念願成就の霊験があらたかです。

毎年、三月初午の日に例祭が行われ、昔懐かしい旗飴が参列者に配られます。

祭神

成願稲荷神社の祭神は以下の通りです。

【現在の由緒書】

・宇迦御魂神(ウカノミタマ):稲荷神(当社では全ての食物を司ると説明される)
 → 『古事記』では、スサノオとカムオオイチヒメの御子神とされる

【過去の由緒書】

主祭神

・保食命(ウケモチ):「日本神話」において、ツクヨミに殺されたとされる食糧神
・宇迦御魂神(ウカノミタマ):稲荷大神
・大宮売命(オオミヤノメ):『古語拾遺』によれば、フトダマの御子神とされる
 → アメノウズメの別名であるとする説もある

配祀

・市杵島姫命(イチキシマヒメ):宗像三女神の一柱であり、弁財天と同一視される
 → 『記紀』では、誓約で誕生した女神で素戔嗚尊の子となったとされる
息長足姫命(神功皇后)仲哀天皇の皇后であり、応神天皇の母

料金: 無料
住所: 奈良県桜井市三輪(マップ
営業: 終日開放
交通: 三輪駅(徒歩10分)

公式サイト: http://oomiwa.or.jp/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。