鞍馬山(概要と登山レポート) [京都府]
2019/12/16
鞍馬山に登ってきたので、鞍馬山の概要と登山レポートを紹介したいと思います。
また、山内の観光スポットについてもまとめて載せておきます。
概要
鞍馬山について
鞍馬山は古くから霊山として知られ、密教の山岳修行の場として栄えたといわれています。宝亀元年(770年)には鞍馬寺が創建され、牛若丸(源義経)が幼少期に住み、ここで修行したという伝説でも有名です。
また、鞍馬弘教では650万年前に金星から護法魔王尊(サナト・クマラとも)が降臨したといわれています。この護法魔王尊は鞍馬寺の本尊である尊天の一尊で、鞍馬山の天狗の総帥として大天狗を従えているともいわれています。
現在はパワースポットとしても有名で、鞍馬寺の本堂前にある金剛床は「この世の存在のすべてを生み出す宇宙生命・宇宙エネルギー」とされる尊天の力が降りてくるといわれており、宇宙とつながれる場所として人気のスポットになっています。
登山コースについて
鞍馬山の登山道は基本的に舗装されているので、比較的 楽に登山できるようになっています。ですので、特別に登山用の装備を用意する必要はないと思います。自分は普通に動きやすい格好にスニーカーで登ることができました。ちなみに山内では金剛杖を借りることもできます。
また、登山コースは貴船神社方面に繋がっており、鞍馬から上って貴船に下り、そのまま貴船周辺を観光することができます。逆に貴船方面から上って鞍馬に行くこともできますが、貴船からのルートは"きつい上り坂"になっているので個人的におすすめしません。
なお、「仁王門(鞍馬) → 西門(貴船)」間の所要時間は1.5時間と言われており、観光込みでも3時間あれば十分に周れます。ただし、貴船で下りた場合は駅までが非常に遠いので、短時間で済ませたいのならば鞍馬から下りた方が無難です。
あると便利なもの
登山道は基本的に舗装されていますが、一部ロープを伝っていくような登山がやや困難な場所もあります。そんな場所ではケガしたり汚れたりする可能性もありますので、「軍手」など汚れても良い手袋なんかがあるといいなと思いました。
また、登山時期は春秋がおすすめですが、今のような冬場だと相当な寒さになっていることが予想されます。ですので、冬場に登山する場合は街中よりも温かい「防寒装備」で向かうことをオススメします。
登山の感想
登山自体は思ったほどキツくなく、むしろ心地よい疲労感で良い感じでした。また、鞍馬山のパワーなのか登山後にはスッキリした気分になれます。雰囲気としては伊勢神宮に参拝したような感じと似ているでしょうか?
登山がきついと思う人でも山中にケーブルカーがあったりするので、これを使えば仁王門⇔鞍馬寺本堂の区間は簡単に行き来することができます。ですので、登山初心者にもオススメです。個人的には、"もし近場に住んでいたなら定期的に通うようになるだろうな"と思えるような場所だったと言えますね。
山内の観光スポット
仁王門(山門)
仁王門は鞍馬山の登山口になっており、鞍馬方面から入山する際にはここで愛山費(300円)を払うようになっています。
また、ここで山内の地図が配布されているので、もらっておくと迷わずに山内を進むことができます。
普明殿(山門駅)
普明殿(ふみょうでん)は多宝塔に向かうケーブルカーの駅になっています。
建物内には毘沙門天像などが安置されており、ケーブルカー(有料※)は約2分で山上駅に着きます。
ちなみに多宝塔までは徒歩でも全然行けます。
※片道 大人200円、小人100円
吉鞍稲荷社
吉鞍稲荷社(よしくらいなりしゃ)は、五穀豊穣・各種産業の守護神である稲荷権現を祀った神社です。
ちなみに当社の扁額には「荼枳尼天尊」「吉倉稲荷大明神」と書かれています。
魔王の滝
魔王の滝は、山中にある小さな滝?です。
詳しい謂れは分かりませんが、水の出る場所に建てられた祠には魔王尊像が立てられています。
鬼一法眼社
鬼一法眼社(きいちほうげんしゃ)は、牛若丸に『六韜』の兵法を授けた鬼一法眼を祀った神社です。
鬼一法眼は武芸の達人といわれるため、武道上達を願って参拝する人も多いそうです。
ちなみに2019年現在は災害の影響で破損しているため、参拝不可能な状態になっています。
由岐神社
由岐神社は平安時代に創建された神社で、主祭神に大己貴命と少彦名命を祀っています。
「鞍馬の火祭」で有名な神社で、境内には様々な見どころがあります。
由岐神社 [京都府]
京都市左京区鞍馬本町にある由岐神社(ゆきじんじゃ)です。 平安時代に創建された古社であり、主祭神に大己貴命と少彦名命を祀っています。 また、毎年10月22日に京都三大奇祭の一つである「鞍馬の火祭」が行われることでも有名です。
川上地蔵堂
川上地蔵堂は、牛若丸(源義経)の守り本尊である地蔵菩薩を祀った御堂です。
牛若丸が修行する際には この地蔵堂に参拝したと言われています。
義経公供養塔
義経公供養塔は、源義経が7歳の頃から10年間住んだ東光坊跡に立てられた供養塔となっています。
双福苑
双福苑と呼ばれる場所には、「玉杉大黒天」として崇められる大杉と、「玉杉大黒天」「玉杉恵比寿尊」の祠があります。
中門
鞍馬寺の中門は かつて山麓の仁王門の横にあり、それを移設したものなんだそうです。
かつては勅使門または四脚門と呼ばれ、勅使(朝廷の使い)が通るための門だったとされています。
弥勒堂
弥勒堂(みろくどう)には弥勒菩薩が祀られています。
ちなみに弥勒菩薩とは56億7000万年後にこの世に出現し、人類を救済するといわれている菩薩です。
多宝塔
多宝塔は舎利宝塔と尊天三尊像を安置する建物で、現在のものは昭和35年(1960年)に再建されたそうです。
ケーブルカーの山上駅からすぐの場所に位置しており、ここから本堂までは比較的なだらかな道になっています。
巽の弁財天社
巽の弁財天社は、鞍馬寺本堂の南東(巽)の方角に建てられた弁天社です。
「巽の弁天さま」と呼ばれ、福徳・智慧・財宝・伎芸の神として信仰を集めているそうです。
鞍馬寺
鞍馬寺は奈良時代に創建された寺院で、本尊として尊天を祀っています。
尊天は三位一体の仏で「この世の存在のすべてを生み出す宇宙生命・宇宙エネルギー」といわれています。
また、本堂前の金剛床には尊天の力が降りてくるとされており、上に立つと尊天のエネルギーを感じることができます。
この他にも境内には、阿吽の虎や魔王尊像など様々な見どころがあります。
鞍馬寺 [京都府]
京都市左京区鞍馬本町にある鞍馬寺(くらまでら)です。 奈良時代に創建された古刹であり、源義経が幼少期を過ごした場所として知られています。 また、本尊の尊天は650万年前に金星から降り立ったなど、数々のいわれのある神秘的な寺となっています。
霊宝殿(鞍馬山博物館)
霊宝殿は、鞍馬山に関する博物館となっています(有料※)。
館内では、鞍馬山に生息する動植物の紹介や仏像の展示、源義経と鞍馬山に関わる展示などがあります。
※大人200円、小学生100円(団体割引あり)
息つぎの水
息つぎの水は、源義経が剣術修行中に喉を潤わしたと伝わる清水で、今でもこんこんと湧き続けています。
屏風坂の地蔵堂
屏風坂の地蔵堂は、息つぎの水付近にある地蔵堂です(詳しい由緒は不明)。
背比べ石
背比べ石は、源義経が奥州に下る際に名残惜しんで背を比べたといわれている石だそうです。
木の根道
鞍馬山の木の根道は、周辺一帯の砂岩が硬く、木々が地下に根を張れなかったためにできたといわれています。
また、源義経もここで兵法修行をしたと伝えられているそうです。
大杉権現社
大杉権現社は、木の根道の先にある神社で、魔王尊のエネルギーが高い場所といわれています。
2019年現在は災害の影響で無惨な状態になっていますが、無音で落ち着ける雰囲気でもありました。
不動堂
不動堂には、比叡山の開祖・伝教大師最澄が当地で参篭した際に刻んだといわれる不動明王が祀られています。
また、牛若丸が鞍馬天狗から兵法を学んだ舞台がこの辺りだともいわれているそうです。
義経堂
義経堂は、鞍馬山と縁の深い源義経の御魂を祀る御堂です。
義経の御魂は死後に鞍馬山に戻り、魔王尊の破邪顕正の働きを助けているとされています。
魔王殿
魔王殿は鞍馬山の奥の院であり、本尊として護法魔王尊が祀られています。
鞍馬弘教では650万年前に金星から護法魔王尊が降り立った地であるといわれ、その磐座・磐境とされています。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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