四国八十八ヶ所75番札所 五岳山善通寺 [香川県]
2015/11/28
香川県善通寺市にある善通寺(ぜんつうじ)です。
四国八十八箇所霊場の七十五番札所であり、本尊に薬師如来を祀る真言宗善通寺派の総本山となっています。
また、西院は空海の生誕地である佐伯邸だったとされ、寺名も空海の父・佐伯善通から取ったとされています。
非常に広い境内に数多くの仏堂・仏像があるため、非常に見ごたえのある寺院と言えます。
寺院概要
縁起
『多度郡屏風浦善通寺之記』によれば、空海の父である佐伯善通(さえきよしみち)が寄進した土地に、唐より帰朝した空海(弘法大師)が、唐における師である恵果(けいか)の住んでいた長安の青龍寺を模して建立した寺院とされています。
なお、大同2年(807年)に建立し始め、弘仁4年(813年)に落成したとされています。
また、寺号の「善通寺」は、空海の父の名前である佐伯善通から取られ、山号の「五岳山」は、香色山・筆山・我拝師山・中山・火上山の5つの山の麓にあることから命名されたそうです。
本尊
・薬師如来(やくしにょらい):東方の浄瑠璃世界の主で、12の誓願を起こし、生ある全てのものを救う仏
→ 真言:オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ
→ 本地垂迹説において、スサノオの本地とされた
→ 真言:オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ
→ 本地垂迹説において、スサノオの本地とされた
善通寺市と空海
善通寺の西院には、もともと空海の出自である佐伯家の邸宅があったとされます。
そして、現在の善通寺市は、空海が父・佐伯善通を供養するために創建した善通寺の門前町に始まるとされています。
そのため、空海の出身地であることにちなんで、市民バスの名前は「空海号」となっています。
東院(伽藍)
東院は、空海自ら建立した「元来の善通寺」とされています。
創建当初は金堂・大塔・講堂などの15の堂宇があったとされますが、戦国時代の兵火によって全焼してしまったそうです。
その後、戦国時代の終焉に伴い、生駒家、京極家といった讃岐の大名の援助によって再建に至ったとされています。
南大門
善通寺の南大門です。
大楠
善通寺の大楠です。
空海が幼少の頃より立っている楠の古木であるとされています。
五社明神
善通寺の五社明神です。
元の善通寺領の氏神とされ、下記の五柱の神を祀っているとされています。
・雲気大明神
・大歳大明神
・大麻大明神
・広浜大明神
・蕪津大明神
・大歳大明神
・大麻大明神
・広浜大明神
・蕪津大明神
三帝御廟
善通寺の三帝御廟(さんていごびょう)です。
三帝とは後嵯峨天皇、亀山天皇、後宇多天皇を指し、その遺勅によって爪髪を納めた宝塔とされています。
佐伯祖廟
善通寺の佐伯祖廟(さえきそびょう)です。
空海の父・佐伯善通(佐伯明神)と、母・君玉寄御前(玉寄明神)を祀っているとされています。
金堂
善通寺の金堂です。
江戸時代の元禄年間(1688~1704年)に再建された建物であり、高さ3メートルの本尊・薬師如来が祀られています。
五重塔
善通寺の五重塔です。
高さは45メートルの大塔であり、善通寺のシンボルとされています。
常行堂(釈迦堂)
善通寺の常行堂(釈迦堂)です。
かつては御影堂であり、江戸時代の天保年間に行われた御影堂改築の際に移転されたものとされています。
天神社
善通寺の天神社です。
大正3年(1914年)に建立されたものであり、菅原道真公を祀っています。
龍王社
善通寺の龍王社です。
江戸時代の文化5年(1808年)に建立された雨乞祈願の社とされているようです(祭神不明)。
仏像群
善通寺の仏像群です。
境内には数多くの多様な仏像が配されています。
中門(仁王門)
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善通寺の中門(仁王門)です。
西院の正門であり、東院側には仁王像を配し、西院側には大わらじが奉納されています。
西院(誕生院)
西院は、かつては空海の出自である佐伯家の邸宅があり、善通寺の創建当時は空海の父母も住んでいたとされています。
その後、佐伯家は京都に移住したため、その跡地を御影堂を中心とする「誕生院」として整備したそうです。
なお、御影堂の横には空海が入ったとされる産湯井があり、奥殿はかつて空海の母の部屋だったとされています。
親鸞堂
善通寺の親鸞堂(しんらんどう)です。
浄土真宗の開祖・親鸞聖人(しんらんしょうにん)の像を安置しています。
護摩堂
善通寺の護摩堂(ごまどう)です。
不動明王を祀っており、護摩祈祷が行われる御堂とされています。
聖霊殿
善通寺の聖霊殿です。
戦没英霊の遺骨奉安のために建てられた御堂とされています。
御影堂
善通寺の御影堂です。
空海の生誕地である佐伯家の邸宅地跡に建っており、空海自作の瞬目大師像が本尊として秘蔵されているそうです。
なお、御影堂の地下には暗闇の中を巡礼する「戒壇めぐり」があります。
産湯井
善通寺の産湯井です。
空海が誕生した際に使用された産湯の井戸とされています。
聖天堂
善通寺の聖天堂です。
聖天(歓喜天)を祀る御堂とされています。
パゴタ供養塔
善通寺のパゴタ供養塔です。
ミャンマー様式の仏塔であり、金色の釈迦像が安置されています。
済世橋
善通寺の済世橋(さいせいばし)です。
駐車場と西院を繋ぐ橋であり、空海が唐で修行中に渡ったとされる洛陽の天津橋を再現したものとされています。
香色山
善通寺の西に聳える香色山(こうじきざん)です。
駐車場からほど近い場所に登山口があり、山内には多数の御堂や神社が建てられているようです。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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