宇治上神社 [京都府]
2018/03/28
京都府宇治市にある宇治上神社(うじがみじんじゃ)です。
『古事記』『日本書紀』の説話に由来する古社であり、祭神に菟道稚郎子命・応神天皇・仁徳天皇を祀っています。
また、「古都京都の文化財」として世界遺産にも登録されています。
神社概要
由緒
宇治神社の由緒書によれば、当社は『記紀』にある「応神天皇の御代、皇太子となった菟道稚郎子命(うじのわきいらつこ)は、異母兄の大鷦鷯尊(後の仁徳天皇)に皇位を譲るため、この菟道(宇治)の地で自害した」という説話に基づいており、大鷦鷯尊が菟道稚郎子命の神霊を祀ったのが宇治神社に当たり、後に応神天皇の神霊を祀ったのが宇治上神社に当たるとされています。
また、当社の案内板によれば、古くは宇治神社と二社一体で 当社が離宮上社(本宮)、宇治神社が離宮下社(若宮)と呼ばれていたとされ、平安時代に平等院が創建された後は その鎮守社となり、近隣住民の崇敬を集めて社殿が維持されてきたそうです。その後、明治19年(1886年)に独立したため、現在は宇治神社とは別々の神社になっています。
祭神
|
|
|
宇治上神社の祭神は以下の通りです。
・[左殿] 菟道稚郎子命(うじのわきいらつこ):第15代応神天皇の皇子で、皇太子になった
→ 『記紀』によれば、異母兄の大鷦鷯尊に皇位を譲るために菟道宮で自害したとされる
・[中殿] 応神天皇(おうじんてんのう):第15代天皇であり、八幡神として全国の八幡宮などで祀られる
・[右殿] 仁徳天皇(にんとくてんのう):第16代天皇であり、菟道稚郎子命の異母兄でもある
→ 『記紀』によれば、異母兄の大鷦鷯尊に皇位を譲るために菟道宮で自害したとされる
・[中殿] 応神天皇(おうじんてんのう):第15代天皇であり、八幡神として全国の八幡宮などで祀られる
・[右殿] 仁徳天皇(にんとくてんのう):第16代天皇であり、菟道稚郎子命の異母兄でもある
境内社
|
|
|
|
|
宇治上神社の境内社は以下の通りです。
・春日社(重文):建甕槌命・天児屋根命を祀る
・住吉社:住吉三神を祀る
・香椎社:神功皇后・武内宿禰神を祀る
・武本稲荷社:倉稲魂命を祀る
・厳島社:市杵島姫命を祀る
・住吉社:住吉三神を祀る
・香椎社:神功皇后・武内宿禰神を祀る
・武本稲荷社:倉稲魂命を祀る
・厳島社:市杵島姫命を祀る
関連知識
みかえり兎(菟道の地名説話)
当地には宇治の地名由来にもなった みかえり兎 という以下のような説話が伝えられています。
菟道稚郎子命(当社祭神)は、河内国から当地に向かう途中に道に迷ってしまった。その時、一羽のウサギが現れて、道案内をするかのように振り返りながら待っていたので、菟道稚郎子命が後を追っていくと やがて当地に辿り着いた。
この逸話から菟道(宇治)という地名が起こり、当社では このウサギを「みかえり兎」と呼んで、人々の人生を道徳の正しい道へと導く神の使いとして伝えている。
この逸話から菟道(宇治)という地名が起こり、当社では このウサギを「みかえり兎」と呼んで、人々の人生を道徳の正しい道へと導く神の使いとして伝えている。
宇治上神社とウサギ
宇治上神社の境内や、お守り・おみくじなどにはウサギがデザインされていますが、これは宇治がかつて菟道(ウサギの道)と表記されていたことや、祭神の菟道稚郎子命に由来するとされています。
清め砂
宇治上神社の拝殿前には、清め砂と呼ばれる円錐形の砂山があります。
これは当社の八朔祭の際に氏子によって奉納されたもので、境内の清めの砂として1年間盛られ続けるとされます。
また、正月や例祭などの大切な日に境内に撒かれ、境内地を清めるために使われるそうです。
なお、この清め砂は あくまで境内を清めるためのものであり、神の依代としての意味合いは無いとされています。
桐原水
宇治上神社の境内には、桐原水(きりはらすい)と呼ばれる湧き水が湧き出す場所があります。
この桐原水は「宇治七名水」の一つで、現存する唯一の名水とされています。
元々は神社の手水用の水とされていますが、現在は持ち帰ることも可能になっています。
なお、飲用する場合は、一度 沸かしてから飲むことが推奨されています。
磐座
宇治上神社の境内には、磐座(いわくら)と呼ばれるいくつかの巨石が祀られています。
冊子によれば、この巨石は昔の社があった場所を示す「社跡の標(しるし)」であると説明されています。
ただ、古代の神社は 社殿を設けずに巨石や巨木を祀る 磐座信仰という形式であったといわれています。
そのため、歴史の古い当社は 磐境信仰による形式で創祀されたという説もあるそうです。
※境内に案内板は無いが、「天降石」や「岩神さん」と呼ばれているらしい
境内の見どころ
鳥居
宇治上神社の鳥居です。
社号標には「世界文化遺産 宇治上神社」と刻まれています。
拝殿
宇治上神社の拝殿です。
鎌倉前期の建造物であり、現在は国宝に指定されています。
願い人形
宇治上神社の願い人形です。
人形に願いを書いて奉納すると、願望成就と厄祓いの加護を受けられるそうです。
桐原水
宇治上神社の桐原水です。
この建物の中に滾々と水が湧き出しており、柄杓で汲むことができるようになっています。
本殿
宇治上神社の本殿です。
年輪年代測定法によって平安後期(1060年頃)の建造が裏付けられており、国宝に指定されています。
なお、当社の本殿は「現存する最古の神社建築」であるともいわれています。
料金: 無料
住所: 京都府宇治市宇治山田59(マップ)
営業: 9:00~16:30(季節によって変更あり)
交通: 京阪宇治駅(徒歩9分)
公式サイト: http://www.pref.kyoto.jp/isan/ujigami.html
住所: 京都府宇治市宇治山田59(マップ)
営業: 9:00~16:30(季節によって変更あり)
交通: 京阪宇治駅(徒歩9分)
公式サイト: http://www.pref.kyoto.jp/isan/ujigami.html
スポンサーリンク
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
スポンサーリンク
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿