人文研究見聞録:藤ノ木古墳 [奈良県]

奈良県生駒郡斑鳩町にある藤ノ木古墳(ふじのきこふん)です。

法隆寺付近に位置しており、古墳の形は円墳となっています。


概要


法隆寺関係の古文書・古記録によれば、かつては「ミササキ」または「陵山(みささぎやま)」などと呼ばれていたとされ、玄室内から大量に出土した土師器(はじき)、須恵器(すえき)の年代から、古墳時代後期(6世紀)の円墳であると推定されています。

この円墳には石室があり、横穴式石室に家形石棺が置かれ、中には成人男性2人が合葬されていたんだそうです。

また、石棺外からは、金銅鞍金具・鉄地金銅張鞍金具・馬具類・挂甲小札・刀身・鉄鏃・鉄製模造品などの金属製品と、土師器・須恵器などの土器が発掘され、石棺内からは、銅鏡・金銅冠・金銅履・金銅製・銀製装飾品類・刀剣類などの金属製品と、ガラス玉類繊維類などの副葬品が発見されたそうです。

これらの副葬品から、藤ノ木古墳の被葬者は当時の支配階級の一人であったと考えられているものの、古墳の形が円墳であることから大王クラスではなく、その一族の上位に位置している人物であったと推測されています。

なお、被葬者についての学術的な説として、穴穂部皇子や宅部皇子または崇峻天皇などの意見があるようです。

藤ノ木古墳の石室の規模

・古墳の全長:14m弱
・玄室の長さ:
 → 西壁側:約6.0m
 → 東壁側:約5.7m
・玄室の横幅:約2.4~2.7m
・玄室の高さ:約4.2~4.4m
・羨道の長さ:約8.3m
・羨道の横幅:約1.8~2.1m

料金: 無料
住所: 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺西2-1
営業: 終日開放
交通: 法隆寺駅(徒歩24分)

公式サイト: http://www4.kcn.ne.jp/~ikaru-i/spot2/huzinokikohunn.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。