奈良県の天理・桜井市周辺には『記紀』の「崇神天皇記」に登場する史跡が数多く点在しています。

また、三輪山に鎮座する大神神社を中心に多くの寺社が建立され、古代日本を感じられるスポットとなっています。

そのため、古代の面影を未だに残すこの地は、いわゆるパワースポットとして有名です。

ですが、『記紀神話』を始めとする「神話」や「古代史」の知識を持って訪れれば、その楽しみは更に倍増するでしょう。

紀元前の祭祀と史跡

桜井市の三輪周辺の神社は縄文時代に遡るほど創建の古い神社もあり、祭祀形式も古神道に則ったものが多いです。

その代表的なものとして「神奈備」と「磐座信仰」が挙げられます（大神神社の祭祀形式）。

これは現在の神道の前身となる古い形の神道であり、自然崇拝（アニミズム）の思想を基調としたものです。

本殿を持たず、主に巨石や山を神体（神の降りる場所）として祀っていることが特徴となっています。

都市化された場所で こうした古代の史跡が見られることは珍しく、個人的には貴重な場所だと思います。

また、周辺には前方後円墳を始めとする数多くの古代遺跡が点在しており、そこもまた魅力的な点と言えるでしょう。

龍神信仰

あまり一般的ではないですが、三輪周辺には恐らく「龍神信仰」があるものと思われます。

これは、三輪の大神こと大物主が蛇神（龍蛇神）とされる由縁にもなっていると考えられます（個人的見解）。

個人的に色々廻って見たところ、見落としがちな場所に白蛇（白龍）を祀る祠や石碑などが多数鎮座していました。

これは三輪に限らず、高市郡（明日香村）や生駒郡（斑鳩）などでも多く見られる傾向です。

よって、三輪および奈良県の各地には龍を神として祀る「龍神信仰」が存在していることは間違いないでしょう。

なお、奈良県と龍神信仰については「大物主」についてまとめたページにて詳しく解説しています。

大物主についてはこちらの記事を参照：【大物主（オオモノヌシ）とは？】

天理・桜井の見どころ

※以下、天理・桜井の見どころに関する私的なまとめです（随時 加筆・修正予定）。

天理市

日本で唯一宗教団体の名称が市名となっていることから、宗教都市として知られている。

桜井市

古代はヤマト王権の中心地だったとされ、縄文時代や弥生時代の史跡が未だに多数残されている。