人文研究見聞録:龍安寺 [京都府]

京都市右京区にある龍安寺(りょうあんじ)です。

室町幕府に創建された禅院であり、本尊に釈迦如来を祀っています。

桜の名所として知られており、世界遺産にも登録されています。


寺院概要

縁起


由緒書によれば、宝徳2年(1450年)に室町幕府管領であった細川勝元が徳大寺家の別荘を譲り受け、これを禅院にしたことに始まるとされます。この時に招かれた妙心寺の義天玄承禅師は、師の日峰宗舜を開山とし、自らは創建開山となったそうです。

創建後まもなく応仁の乱によって焼失してしまいますが、明応8年(1499年)に細川政元が再興し、その後は名僧が相次いで住し、豊臣秀吉や徳川氏も寺領を寄付するなどして、最盛時には塔頭を23数えるほど栄えたとされます。しかし、寛政9年(1797年)に火災によって方丈・開山堂・仏殿を焼失し、後に次第に再興されていったものの、最盛時の寺観には至っていないとされています。

近代以降は、明治の廃仏毀釈によって衰退したものの、昭和50年(1975年)に英国のエリザベス2世が公式に来日した際に龍安寺を訪れて石庭を絶賛したことがマスコミに報道されたことや、世界におけるZEN(禅)ブームとも相まって世界的に知られるようになったそうです。

なお、方丈庭園(石庭)は室町末期の作と伝えられ、枯山水の石庭として有名であり、長方形の敷地に白砂を敷き、15個の石を配して、一木一草も用いず、象徴的に自然を映し出したものであり、あたかも渓流を虎の子を連れて渡っているように見えることから「虎の子渡し」とも呼ばれているとされ、国の史跡および特別名勝に指定されています(海外ではロックガーデンの名で知られている)。

また、当寺は平成6年(1994年)に「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。

本尊


・釈迦如来(しゃかにょらい):仏陀(仏の悟りを開いた人)となった釈迦の尊称

境内の見どころ

山門


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龍安寺の山門です。

石の大佛


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龍安寺の石の大佛です。

庫裡


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龍安寺の庫裡(くり)です。

方丈への拝観受付になっています。

方丈内部


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龍安寺の方丈内部です。

方丈庭園(石庭)


人文研究見聞録:龍安寺 [京都府]

龍安寺の方丈庭園(石庭)です。

室町末期に特芳禅傑らの禅僧によって作られたと伝えられていますが、作者・時期・意図などは謎とされています。

また、石の配置から「虎の子渡しの庭」や「七五三の庭」といった別称もあるそうです。

鏡容池


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龍安寺の鏡容池です。

弁天堂


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龍安寺の弁天堂です。

桜苑


人文研究見聞録:龍安寺 [京都府]

龍安寺の桜苑です。

しだれ桜や八重桜などが咲き乱れる桜の名所となっています。

料金: 境内無料(方丈内部:一般500円、小中学生300円)
住所: 京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13(マップ
営業: 8:00~17:00(冬季8:30~16:30)
交通: 龍安寺駅(徒歩10分)

公式サイト: http://www.ryoanji.jp/top.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。