人文研究見聞録:水尾神社(姫路市) [兵庫県]

兵庫県姫路市にある水尾神社(みおじんじゃ、みずおじんじゃ)です。

古くから当地の氏神として鎮座している神社で、主祭神に大己貴命(伊和大神)を祀っています。

なお、境内には男山八幡宮および千姫天満宮も鎮座しています。


神社概要

由緒


兵庫県神社庁HPによれば、当社は男山の麓に鎮座する当地域の氏神社であり、古くから伊和大神を祀っていたとされます(伊和大神は播磨国風土記に登場する国作りの神で、大国主神=大己貴命と同一視されている)。

記録では第29代欽明天皇26年(565年)6月11日に伊和大神を水尾山(古箕丘、今秩父山)に鎮祭し、延暦5年(786年)6月11日に坂上田村麻呂によって梛本の地(今の播磨国総社)に遷し祀られたとされますが、男山の麓の民が神影を崇めるために当地に祠を建てたそうです(このため播磨国総社の元宮とされる)。

その後、元和5年(1619年)3月に本多忠政が姫路城を増築する際、神守岡より岡大歳社を遷して社殿を造営し、姫山四方の守護として、岡主社・角岡社・角社の一社に数えられたとされます。また、国内神名帳所載の神社として崇敬を受け、藩主の池田氏・本多氏、榊原氏、酒井氏らは当社に能楽を奉納したそうです。

そして、明治の神仏分離の際に大年社歳徳大明神という社名を水尾神社と改名し、明治年間に社殿を改築が行われ、平成7年(1995年)に社殿の新築や境内整備が行われて現在に至るとされています。

祭神


水尾神社の祭神は以下の通りです。

・伊和大神(イワノオオカミ):『播磨国風土記』に登場する国作りの神(大己貴命と同一視されている)
 → この地方の一族の基礎をつくった族長が神格化されたものとみられ、土着の豪族伊和氏によって祀られたとされる
 → 後に大国主神(大己貴命)と同一化された
  ⇒ 大己貴命(オオナムチ):オオクニヌシの名で知られる出雲大社の主祭神

境内社


人文研究見聞録:水尾神社(姫路市) [兵庫県]

水尾神社の境内社は以下の通りです。

・市杵島姫社:市杵嶋姫命を祀る
・荒神社:奥津彦命・奥津姫命を祀る
・大将軍社:経津主命を祀る
・武大神:素盞鳴命・稲田姫命を祀る

境内の見どころ

鳥居


人文研究見聞録:水尾神社(姫路市) [兵庫県]

水尾神社の鳥居です。

注連柱


人文研究見聞録:水尾神社(姫路市) [兵庫県]

水尾神社の注連柱です。

拝殿


人文研究見聞録:水尾神社(姫路市) [兵庫県]

水尾神社の拝殿です。

料金: 無料
住所: 兵庫県姫路市山野井町1-3(マップ
営業: 終日開放
交通: 姫路駅(徒歩24分)

公式サイト: http://www.hyogo-jinjacho.com/data/6316021.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。