人文研究見聞録:難波野の千躰地蔵 [京都府]

京都府宮津市にある難波野の千躰地蔵(なんばののせんぼんじぞう)です。

天橋立の北側、麓神社付近にある中世の地蔵群であり、宮津周辺の史跡の一つとされています。


概要


案内板によれば、成相山の下より発掘された一千体の仏像であり、応永年中(室町時代)に大江越中守(おおええっちゅうのかみ)によって造られたものとされているそうです。

これは江戸後期(1841年)に成立した『丹哥府志(たんかのふし)』という丹後地方の地誌に記されていることですが、案内板では大江越中守云々については信頼しがたいとしています。しかし、千体以上の仏像がこうして残っている以上、千躰地蔵と称された百数十年にわたる歴史は疑うことはできないとも記されています。

なお、この地蔵群の特徴として、石仏・石塔・板碑という種類の彫像が寄り集まっており、特に舟形光背形の地蔵像が多く、板碑に数えられるものは130基以上あるとされています。また、板碑の彫成時期は戦国期から近世初期にかけてのものが多いそうです。

一見 不気味なスポットですが、よく見てみれば面白い発見があるかもしれませんよ。

ちなみに千躰地蔵へ続く道はやや険しい山道になっているので、夏場は害虫などに注意する必要があると思います。

人文研究見聞録:難波野の千躰地蔵 [京都府]
千躰地蔵への道

料金: 無料
住所: 京都府宮津市難波野
営業: 終日開放
交通: 天橋立駅(徒歩50分)
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。