人文研究見聞録:開化天皇陵(念仏寺山古墳) [奈良県]

奈良県奈良市にある開化天皇陵(かいかてんのうりょう)です。

近鉄奈良駅付近に位置する前方後円墳であり、第9代 開化天皇の御陵に治定されています。

なお、入口は古墳の南側、ビル街の分かりづらい場所にあります。


概要

人文研究見聞録:開化天皇陵(念仏寺山古墳) [奈良県]

開化天皇陵(かいかてんのうりょう)は、第9代 開化天皇の御陵である春日率川坂上陵(かすがのいざかわのさかのえのみささぎ)に治定されている前方後円墳であり、考古学名は念仏寺山古墳であるとされています。また、弘法山古墳(高坊山古墳)坂上山古墳という名称もあるそうです。

『日本書紀』では「春日率川坂本陵(坂上陵)」、『古事記』には「伊邪河之坂上に所在する」と記されています。

【来歴】

・明治期:宮内省(現・宮内庁)により開化天皇の陵に治定
・昭和50年(1975年):鳥居建替工事に伴う立会調査が行われ、江戸時代の蔵骨器・木棺などの出土した
・昭和51年(1976年):外堤・渡堤工事に伴う事前調査が行われる
・昭和63年(1988年):透塀控柱改修工事に伴う立会調査が行われる
・平成14年(2002年):進入路設置その他工事に伴う立会調査が行われる
・平成20年(2008年):鳥居改築工事に伴う立会調査が行われ、蔵骨器・木棺・人骨などの出土した

【規模】

・墳丘長:約100メートル
・後円部
 ・直径:約48メートル
 ・高さ:約8メートル
・前方部
 ・横幅:約48メートル
 ・高さ:約6メートル

開化天皇とは?

人文研究見聞録:開化天皇陵(念仏寺山古墳) [奈良県]

開化天皇(かいかてんのう)とは日本の第9代天皇であり、『日本書紀』によれば「率川宮」で即位したとされています。

しかし、『記紀』の両方でも情報の少ない、いわゆる「欠史八代」の1人に数えられている天皇です。

なお、没年齢は『古事記』では63歳、『日本書紀』では115歳とされています。

『日本書紀』によれば、父の孝元天皇の妃であった伊香色謎命(イカガシコメ)を皇后としたことが記されています。

ちなみに『ホツマツタヱ』という文献には、父の妃を皇后としたことを臣に諌められて処分したという記録があります。

※開化天皇が処分した臣はオオタタネコの祖父であり、崇神天皇の「大物主の祟り」の件に繋がる

参考リンク:開化天皇(ウィキペディア)ホツマツタヱ32文 ふしとあわ海 みつの文

料金: 無料
住所: 奈良県奈良市今辻子町(マップ
営業: 終日開放
交通: 近鉄奈良駅(徒歩8分)

公式サイト: http://www.kunaicho.go.jp/ryobo/guide/009/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。