人文研究見聞録:仁和寺 [京都府]

京都市右京区にある仁和寺(にんなじ)です。

平安時代に創建された寺院であり、本尊に阿弥陀如来を祀っています。

また、境内にある御室桜は桜の名所として知られており、国の名勝にも指定されています。


寺院概要

縁起


由緒書によれば、仁和2年(886年)に第58代光孝天皇の勅願によって大内山の麓に「西山御願寺」という寺が建てられることになったものの、完成する前に崩御してしまったため、次代の宇多天皇が意志を引き継いで仁和4年(888年)に完成させ、年号から「仁和寺」と命名したとされます。

なお、仁和寺の住職は門跡(もんぜき)と呼ばれており、「門」は天皇を指し、宇多法皇から小松宮までの30代、およそ千年間 皇室の寺院として知られるところになったそうです。

中世になると、室町時代にはやや衰退し、応仁2年(1468年)に兵火によって伽藍は全て焼失してしまったため、双ヶ丘の西麓に仮御所を設け、法灯を護持していたとされます(応仁の乱の際、本尊の阿弥陀三尊は持ち出されて焼失を免れたとされる)。

近世になると、仁和寺第21世 覚深法親王が徳川家光に仁和寺再興の申し入れを行い、寛永年間(1624年-1644年)に徳川幕府によって伽藍が整備されたそうです。この時、御所から紫宸殿・清涼殿・常御殿などが仁和寺に遷され、山門・中門・五重塔・観音堂などが新築され、正保3年(1646年)に再建が完了したとされます。

しかし、明治20年(1887年)の火災によって仁和寺御殿を構成する大部分が焼失したため、明治23年(1890年)に現在の白書院などが建てられ、明治42年(1909年)から本格的な再建が開始されて大正3年(1914年)に完成したそうです。

そして、金堂を始めとする建物の多くは国宝や重要文化財の指定を受け、昭和期に伽藍や御殿は「史蹟仁和寺御所阯」に、境内の桜は「名勝御室桜」に指定され、平成6年(1994年)に「世界文化遺産」に登録されて現在に至るとされています。

また、仁和寺は真言宗御室派の総本山であり、御室流華道家元としても知られているそうです。

本尊


・阿弥陀如来(あみだにょらい):西方の極楽浄土の教主で、生あるもの全てを救う仏とされる

無料ゾーン

二王門


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仁和寺の二王門です。

寛永14年(1637年)から正保元年(1644年)にかけて建てられたもので、門の左右に仁王像を配しています。

また、高さは18.7mで重層・入母屋造になっており、国の重要文化財に指定されています。

二王像


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仁和寺の二王門に配された二王像です。

参道


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仁和寺の参道です。

勅使門


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仁和寺の勅使門です。

中門


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仁和寺の中門です。

西方天・東方天


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仁和寺の中門に配された西方天・東方天です。

五重塔


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仁和寺の五重塔です。

寛永21年(1644年)建立された総高36mの塔であり、国の重要文化財に指定されています。

九所明神


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仁和寺の九所明神です。

八幡・賀茂・日吉・武答・稲荷・松尾・平野・小日吉・木野嶋の九所の神々が祀られています。

金堂


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仁和寺の金堂です。

本尊である阿弥陀三尊を安置しており、現存する最古の紫宸殿として国宝に指定されています。

経蔵


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仁和寺の経蔵です。

江戸時代の建造物であり、国の重要文化財に指定されています。

鐘楼


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仁和寺の鐘楼です。

国の重要文化財に指定されています。

水掛不動


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仁和寺の水掛不動です。

近畿36不動霊場の第14番札所となっています。

御影堂


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仁和寺の御影堂です。

弘法大師像・宇多法皇像・仁和寺第2世性信親王像が安置されています。

大黒堂


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仁和寺の大黒堂です。

金剛華菩薩像


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仁和寺の金剛華菩薩像です。

有料ゾーン

南庭


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仁和寺の南庭です。

白書院


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仁和寺の白書院(しろしょいん)です。

明治20年(1887年)に仁和寺御殿が焼失したために明治23年(1890年)に建てられたものとされています。

内部では松を主題にした襖絵が見られます。

宸殿


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仁和寺の宸殿(しんでん)です。

儀式や式典に使用される御殿の中心建物であり、現在の建物は大正3年(1914年)に建てられたものとされています。

黒書院


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仁和寺の黒書院(くろしょいん)です。

明治42年(1909年)に建てられたものであり、内部では襖絵などが見られます。

北庭


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仁和寺の北庭です。

霊明殿


人文研究見聞録:仁和寺 [京都府]

仁和寺の霊明殿(れいめいでん)です。

喜多院の本尊である薬師如来坐像を安置するために明治44年(1911年)に建てられたものとされています。

なお、霊明殿に掲げられた扁額は昭和期の総理大臣である近衛文麿の筆だそうです。

霊宝館


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仁和寺の霊宝館です。

仏像・仏画・経典などが展示されている宝物館となっています。

御室桜


人文研究見聞録:仁和寺 [京都府]

仁和寺の御室桜(おむろざくら)です。

国の名勝に指定されている桜園で、京都の桜の名所として有名です。

なお、シーズン中は有料ですが、シーズンが過ぎると無料公開されます(ちなみに写真は無料時期)。

料金: 拝見無料(御殿500円、霊宝館500円)※詳しくは公式サイトへ
住所: 京都府京都市右京区御室大内33(マップ
営業: 9:00~17:00(冬季は16:30)
交通: 御室仁和寺駅(徒歩7分)

公式サイト: http://www.ninnaji.jp/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。