八重垣神社 [島根県]
2017/09/22
島根県松江市にある八重垣神社(やえがきじんじゃ)です。
日本神話の八岐大蛇退治にゆかりのある神社であり、主祭神に素盞嗚尊・櫛稻田姫命を祀っています。
縁結びの神社として有名であり、日本最古の壁画が保存されていることでも知られています。
また、出雲國神仏霊場の第14番であり、六社参りで知られる意宇六社の一社にも数えられています。
神社概要
由緒
パンフレットによれば、当社は日本神話の「素盞鳴尊の八岐大蛇退治」にゆかりのある神社であり、素盞鳴尊(スサノオ)が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治する際に、佐草の郷・佐久佐女の森(現・奥の院)の大杉を中心に八重垣を造って稲田姫命(イナダヒメ)を隠した場所と伝えられています。
また、社伝においては 当地は素盞嗚尊が八岐大蛇を退治する際の稲田姫の避難の中心地であり、退治の後に須賀宮(須我神社)を構えた素盞鳴尊は、この他にも佐草に宮を構えて「八重垣の宮」とし、ここで夫婦生活を始めたとされています。この際に「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」という歌を詠んで縁結びの道を開いたことから、当社では祭神の素盞鳴尊・稲田姫命を正式結婚の初めの大神であり、出雲の縁結びの大神の本家本元の大祖神としています。
また、当地には古くは佐久佐神社が鎮座していたとされ、その祭神である青幡佐久佐日古命(アオハタサクサヒコ)は現在は当社に合祀されています。なお、『出雲国風土記』には意宇郡の大草郷条に「大草郷(おおくさごう)。須佐乃乎命(スサノオ)の御子、青幡佐久佐丁壮命(アオハタサクサヒコ)が鎮座していらっしゃる。だから、大草という」と記されています。
この佐久佐神社は『延喜式神名帳』にも記載されている式内社であり、後に大原郡須賀の地にあった八重垣神社が佐久佐神社に遷されて境内社となったとされます。その後、明治5年(1872年)に佐久佐神社は八重垣神社を合祀して郷社に列格、明治9年(1876年)に県社に昇格し、明治11年(1878年)に八重垣神社に改称して現在に至るとされています。
なお、パンフレットによる説明は以下の通りです。
【八重垣神社 説明概要】
「早く出雲の八重垣様に、縁の結びが願いたい」という歌は、出雲においては最も古い民謡の一節で、八岐大蛇退治で名高い高天原第一の英雄・素盞鳴尊(スサノオ)と、国の乙女の花と謳われた・稲田姫命(イナダヒメ)との結婚物語の神話にゆかりの最も深いのが出雲の縁結びの大神として知られる八重垣神社で、御祭神も素盞鳴尊と御妃・稲田姫命の御夫婦がお祀りしてあります。大国主命(オオクニヌシ)の親神様であります。
素盞鳴尊が出雲の斐の川上に来られた時、稲田姫を真中に脚摩乳(アシナヅチ)・手摩乳(テナヅチ)が泣いておられる様をご覧になって、その理由を御聞きになり、悪者・八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治して稲田姫を御救いになられたのであります。
この時、素盞鳴尊は稲田姫を斐の川上から7里を去った佐草の郷・佐久佐女の森(奥の院)の大杉を中心に八重垣を造って姫を御隠しなされ、八岐大蛇を御退治になってから御両親の脚摩乳・手摩乳の御許しを得て「いざさらば いざさらば連れて帰らむ佐草の郷に」という出雲神楽歌にもある通り、佐草の地に宮造りされて「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」という妻を娶った喜びの歌を歌われて御夫婦の宮居とされ、縁結びの道を お開きになったのであります。
すなわち、天つ神(素盞鳴尊)・国つ神(稲田姫命)の二方が脚摩乳・手摩乳の承諾を得られた正式結婚の初めの大神で、出雲の縁結びの大神として本家本元の大祖神様であります。「わすれしゃんすな八重垣様に、縁を結んだ そのはじめ」と、古くから民族信仰の厚い古社であり名社であります。
「早く出雲の八重垣様に、縁の結びが願いたい」という歌は、出雲においては最も古い民謡の一節で、八岐大蛇退治で名高い高天原第一の英雄・素盞鳴尊(スサノオ)と、国の乙女の花と謳われた・稲田姫命(イナダヒメ)との結婚物語の神話にゆかりの最も深いのが出雲の縁結びの大神として知られる八重垣神社で、御祭神も素盞鳴尊と御妃・稲田姫命の御夫婦がお祀りしてあります。大国主命(オオクニヌシ)の親神様であります。
素盞鳴尊が出雲の斐の川上に来られた時、稲田姫を真中に脚摩乳(アシナヅチ)・手摩乳(テナヅチ)が泣いておられる様をご覧になって、その理由を御聞きになり、悪者・八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治して稲田姫を御救いになられたのであります。
この時、素盞鳴尊は稲田姫を斐の川上から7里を去った佐草の郷・佐久佐女の森(奥の院)の大杉を中心に八重垣を造って姫を御隠しなされ、八岐大蛇を御退治になってから御両親の脚摩乳・手摩乳の御許しを得て「いざさらば いざさらば連れて帰らむ佐草の郷に」という出雲神楽歌にもある通り、佐草の地に宮造りされて「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」という妻を娶った喜びの歌を歌われて御夫婦の宮居とされ、縁結びの道を お開きになったのであります。
すなわち、天つ神(素盞鳴尊)・国つ神(稲田姫命)の二方が脚摩乳・手摩乳の承諾を得られた正式結婚の初めの大神で、出雲の縁結びの大神として本家本元の大祖神様であります。「わすれしゃんすな八重垣様に、縁を結んだ そのはじめ」と、古くから民族信仰の厚い古社であり名社であります。
「スサノオのヤマタノオロチ退治」についてはこちら:【古事記版】【日本書紀版】【先代旧事本紀版】
祭神
八重垣神社の祭神は以下の通りです。
【主祭神】
・素盞嗚尊(スサノオ):三貴子の一柱で出雲の祖神(天照大神の弟神に当たる)
→ 日本神話では、ヤマタノオロチを退治したことで有名
・櫛稻田姫命(クシイナダヒメ):スサノオの后
→ 日本神話では、ヤマタノオロチの生贄にされそうになったところをスサノオに救われた
→ 稲田姫命(イナダヒメ)とも
【合祀神】
・大己貴命(オオナムチ):オオクニヌシの名で知られる出雲大社の主祭神
→ 「日本神話」ではスクナヒコナと共に諸国を巡って国造りを成したとされる
→ 当社ではスサノオとクシイナダヒメの御子神とされる(『記紀』によって異なる)
・青幡佐久佐日古命(アオハタサクサヒコ):『出雲国風土記』に登場する神
→ 『出雲国風土記』ではスサノオの御子神であり、大草郷の地名の由来となったとされる
・素盞嗚尊(スサノオ):三貴子の一柱で出雲の祖神(天照大神の弟神に当たる)
→ 日本神話では、ヤマタノオロチを退治したことで有名
・櫛稻田姫命(クシイナダヒメ):スサノオの后
→ 日本神話では、ヤマタノオロチの生贄にされそうになったところをスサノオに救われた
→ 稲田姫命(イナダヒメ)とも
【合祀神】
・大己貴命(オオナムチ):オオクニヌシの名で知られる出雲大社の主祭神
→ 「日本神話」ではスクナヒコナと共に諸国を巡って国造りを成したとされる
→ 当社ではスサノオとクシイナダヒメの御子神とされる(『記紀』によって異なる)
・青幡佐久佐日古命(アオハタサクサヒコ):『出雲国風土記』に登場する神
→ 『出雲国風土記』ではスサノオの御子神であり、大草郷の地名の由来となったとされる
境内社
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八重垣神社の境内社は以下の通りです。
・手摩乳神社:手摩乳命を祀る
・脚摩乳神社:脚摩乳命・誉田別命を祀る
・貴布祢神社:高龗命・倉稲魂命を祀る
・伊勢宮:天照大御神を祀る
・山神神社:大山祇命・石長姫命を祀る
・天鏡神社(奥の院):稲田姫命を祀る
・社日神社
・荒神社2社
・脚摩乳神社:脚摩乳命・誉田別命を祀る
・貴布祢神社:高龗命・倉稲魂命を祀る
・伊勢宮:天照大御神を祀る
・山神神社:大山祇命・石長姫命を祀る
・天鏡神社(奥の院):稲田姫命を祀る
・社日神社
・荒神社2社
関連知識
日本最古の壁画
スサノオとイナダヒメ(案内板より) |
八重垣神社の宝物殿には「日本最古の壁画」とされる御神像が保存されています。
この御神像は、社伝で「893年に巨勢金岡(こせのかなおか)が描いた」と伝えられており、素戔嗚尊(スサノオ)・稲田姫命(イナダヒメ)・天照大神(アマテラス)・市杵嶋姫命(イチキシマヒメ)・脚摩乳命(アシナヅチ)・手摩乳命(テナヅチ)の六神像が描かれています。
なお、年輪年代測定法によれば 絵の描かれている杉の木が1200年代とされることから、科学的には鎌倉初期頃のものと推定されているようです。また、この絵の制作方法は、槍鉋(やりがんな)で板を削り、その上に白土を全面に塗り、主に鉱物系統の色素を以って描かれたものとされています。
神像自体は平安期を髣髴とさせるような姿で描かれており、太くて丸い描き眉が描きこまれています。神の肖像としては なかなか珍しい絵になっているので、参拝の折には拝見してみてはいかがでしょうか?(拝観料200円)
奥の院・佐久佐女の森
八重垣神社の境内奥には奥の院・佐久佐女の森(さくさめのもり)があります。
この森は、昔 稲田姫(イナダヒメ)が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)から身を隠した場所の中心地であり、大杉を中心にして八重垣が造られたと伝えられています。
ここでいう八重垣とは、大垣・中垣・万垣・西垣・万定垣・北垣・袖垣・秘弥垣からなる八つの垣であり、現在でも周辺に地名として残っているそうです。
なお、パンフレットによる説明は以下の通りです。
【奥の院・佐久佐女の森(神秘の森)】
本殿の後方に奥の院・佐久佐女の森がある。そこは稲田姫命が八岐大蛇の難を御避けなさった場所の中心地で、その森の大杉を中心に周囲に八重垣を造って御避難されたといわれます。
八重垣とは、大垣・中垣・万垣・西垣・万定垣・北垣・袖垣・秘弥垣という八つの垣で、今もなお その名が山の上や中腹、田の中などに地名として残っております。
小泉八雲は"神秘の森"と称し、知られぬ日本の面影にくわしく述べております。この森は、出雲小唄の「出雲八重垣 妻込め所、いとし女の置き所」と歌っています。
本殿の後方に奥の院・佐久佐女の森がある。そこは稲田姫命が八岐大蛇の難を御避けなさった場所の中心地で、その森の大杉を中心に周囲に八重垣を造って御避難されたといわれます。
八重垣とは、大垣・中垣・万垣・西垣・万定垣・北垣・袖垣・秘弥垣という八つの垣で、今もなお その名が山の上や中腹、田の中などに地名として残っております。
小泉八雲は"神秘の森"と称し、知られぬ日本の面影にくわしく述べております。この森は、出雲小唄の「出雲八重垣 妻込め所、いとし女の置き所」と歌っています。
鏡の池(縁結占の池)
八重垣神社の奥の院には鏡の池(かがみのいけ)という池があります。
この池は、佐久佐女の森に避難している稲田姫(イナダヒメ)が飲料水や姿見として使った池であると伝えられており、以来、鏡の池には稲田姫命の御霊魂が鎮まっているとされています。
このため、古くから池に鎮まる稲田姫の御霊に向けて、土器や供物などを投じて祈願するといった習わしがあり、それが現在は硬化に代わったと云われています。
現在では鏡の池で縁結びを占うことができるとされ、社務所で授けられる和紙に硬化を乗せて池に浮かべ、15分以内に沈めば良縁が近く、30分以上なら縁が遅いといわれています。
また、この池にはイモリが生息しており、これを見られると幸運が訪れると言われ、イモリが浮かべた紙を突くと良縁に恵まれるとも言われているそうです。
なお、パンフレットによる説明は以下の通りです。
【鏡の池(縁結占の池)】
この池は稲田姫命が八岐大蛇の難を避けるため、森の大杉を中心に八重垣を造って御避難されている中、日々の飲料水や姿見に使われた池で、「姿見の池」「鏡の池」といわれる稲田姫が美容調整された神秘的な池であります。
こんこんと湧き出る清水は、昔ながらの面影をしのばせ、稲田姫命の御霊魂が深く滲透しておるので、縁結びの占いの池として、紙片に硬化を乗せて縁の遅速を占い、早く沈めば良縁早く、遅く沈むと縁が遅いと言われています。
人の運勢は縁組の善悪によって一大転換をなすものですから、御祭神の縁組が御栄なさったように御神徳の広大な出雲の縁結びの本家本元の大祖神である八重垣の大神を尊信して、良縁を得られ、二人の晴れ姿を この神秘の森・鏡池に映され、末永く御加護を受けて御繁栄されますよう念願いたします。
この池は稲田姫命が八岐大蛇の難を避けるため、森の大杉を中心に八重垣を造って御避難されている中、日々の飲料水や姿見に使われた池で、「姿見の池」「鏡の池」といわれる稲田姫が美容調整された神秘的な池であります。
こんこんと湧き出る清水は、昔ながらの面影をしのばせ、稲田姫命の御霊魂が深く滲透しておるので、縁結びの占いの池として、紙片に硬化を乗せて縁の遅速を占い、早く沈めば良縁早く、遅く沈むと縁が遅いと言われています。
人の運勢は縁組の善悪によって一大転換をなすものですから、御祭神の縁組が御栄なさったように御神徳の広大な出雲の縁結びの本家本元の大祖神である八重垣の大神を尊信して、良縁を得られ、二人の晴れ姿を この神秘の森・鏡池に映され、末永く御加護を受けて御繁栄されますよう念願いたします。
境内の見どころ
鳥居
八重垣神社の鳥居です。
連理玉椿(夫婦椿)
八重垣神社の入口付近にある連理玉椿(夫婦椿)です。
昔 稲田姫が立てた二本の椿の枝が芽を吹いて一心同体となったものと伝えられています。
このことから、愛の象徴として神聖視されるようになり、美容調整の神徳があるとも言われています。
神門(随神門)
八重垣神社の神門です。
当社の随神は、向かい合わせに祀られています。
随神
八重垣神社の随神です。
神木(連理の杉松)
八重垣神社の神木(連理の杉松)です。
拝殿
八重垣神社の拝殿です。
本殿
八重垣神社の本殿です。
参集殿
八重垣神社の参集殿です。
宝物殿
八重垣神社の宝物殿です。
「日本最古の壁画」が保存されており、有料で拝観することができます。
鏡のオブジェ
八重垣神社の鏡のオブジェです。
山神神社のオブジェ
八重垣神社の境内社・山神神社のオブジェです。
男根形の木像であり、子宝や下半身の病に御利益があるとされています。
和合の木
八重垣神社の和合の木です。
山神神社付近の階段沿いにあり、女陰を表した木の穴に男根像が祀られています。
夫婦椿(乙女椿)
八重垣神社の夫婦椿(乙女椿)です。
夫婦椿(子宝椿)
八重垣神社の夫婦椿(子宝椿)です。
夫婦杉
八重垣神社の夫婦杉です。
絵馬
八重垣神社の絵馬です。
宝物殿にある壁画が描かれています。
料金: 無料(宝物殿200円)
住所: 島根県松江市佐草町227(マップ)
営業: 9:00~17:00
交通: 乃木駅(徒歩50分、車14分)、JR松江駅「八重垣神社」行き(25分)
公式サイト: http://www.shinbutsu.jp/45.html
住所: 島根県松江市佐草町227(マップ)
営業: 9:00~17:00
交通: 乃木駅(徒歩50分、車14分)、JR松江駅「八重垣神社」行き(25分)
公式サイト: http://www.shinbutsu.jp/45.html
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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